ウトリクラリア(タヌキモ) 食虫植物

【食虫植物タヌキモ(水生ウトリクラリア)育て方】管理方法って?準備するものやオススメの栽培方法

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【食虫植物タヌキモ(水生ウトリクラリア)育て方】管理方法って?準備するものやオススメの栽培方法

タヌキモ(水生ウトリクラリア)の育て方って?

この記事はこのような方にオススメ

  • タヌキモ(ウトリクラリア)の育て方を知りたい
  • 用土や植え替え方法を知りたい
  • 管理方法を知りたい

日本では古来から生息している食虫植物のタヌキモ(水生ウトリクラリア)ですが、

非常に高度な適応で生き残ることができると言われていて、生命力が高い植物です。

しっかりと基本を抑えて育てれば難しくはありません。

すでに購入し育てている方も、これから育てようと検討している方も、育て方や栽培環境の参考にして頂けると嬉しいです。

ネぺ吉
タヌキモ(水生ウトリクラリア)の育て方を紹介するよ

最後まで読んでね~

タヌキモ(水生ウトリクラリア)を育てる

タヌキモ(水生ウトリクラリア)は世界で最も広域に繁栄している食虫植物で、約250種以上が確認されていて、南極を除く全ての大陸にいます。

ウトリクラリアに属するタヌキモとミミカキグサは種のおよそ15%が水生、80%が陸生、残りは着生や岩生の植物です。

日本で分類されている呼び名と学名が混同していて非常にわかりずらいのですが、

主に、4つに分類されます。

・水生植物

・陸生植物

・着生植物

・岩生植物

このうち、日本でタヌキモと呼ばれる水生植物は属全体の15%ほどを占めます。

ここではタヌキモ(水生ウトリクラリア)の育て方を紹介していきます。

このページで紹介している育て方はタヌキモ(水生ウトリクラリア)の一般的な育て方です。250種以上いるため、種や個体によっては紹介の通りが正しいとは限りません。

水生植物とは

水中または水辺に生育し、植物体のすべて、または大部分が水中にある維管束植物をいう。

水生植物は普通、水草(みずくさ)とよび、日本にはおよそ500種ほどがある。

これらの水草は吸収器官や通道組織を有し、生殖器官が空気中で開花するので、陸上生活をしていた植物がふたたび水中生活に移行したものであろうと考えられている。

生育場所は淡水の湖沼や溜池(ためいけ)、河川、水田、水湿地などであるが、アマモやウミヒルモなどのように、種子植物でありながら、浅海産の海草類も含まれる。

(引用:コトバンク https://kotobank.jp/ )

他の食虫植物はほぼほぼ陸生植物なため、このタヌキモはかなり異なる存在です。

ですが、同属にはミミカキグサ(陸生ウトリクラリア)もいて、同じような捕虫嚢を持ちながらも、

進化の過程で水生と陸生に分岐したのです。

一般では食虫植物や観葉植物として販売されていることは少なく、たいていは水草という扱いになっています。

そのため、同じウトリクラリアといっても適正な環境や栽培方法が全く異なります。

ネぺ吉
食虫植物って難しい
それね
ネペ花

タヌキモ(水生ウトリクラリア)に必要なもの

・水深10㎝以上の容器

・PH6程度の弱酸性水質

この2つはタヌキモ(水生ウトリクラリア)を育てる上で必須の条件です。

そして他の食虫植物と少し異なり、捕虫するのは虫ではなくミジンコなどの微生物(プランクトン)です。

どの食虫植物も捕虫することで栄養を得ることはできますが、人間でいうエナジードリンクとよく例えられることからなくても問題なく生長します。

ただし、タヌキモ(水生ウトリクラリア)に関してはミジンコなどの微生物(プランクトン)がいるとよく生長することが確認されているため、

・ミジンコなどの微生物(プランクトン)を定期的に与える

ことをオススメします。

タヌキモ(水生ウトリクラリア)の育て方

陸上植物と異なり、事前にいくつか準備しておくと、問題なく栽培することができます。

タヌキモ(水生ウトリクラリア)を入手する一か月前から準備を始めると良いでしょう。

・栽培方法と容器を決める

・田土を底に入れる

・長繊維ピートモスを入れる

・補充用の水を用意する

・タヌキモ(水生ウトリクラリア)を入れる

順番に解説していきます。

室内で育てる?戸外で育てる?栽培方法と容器を決める

前述のとおり、タヌキモ(水生ウトリクラリア)は多くの水を必要とします。

栽培方法としては、

・観賞用として熱帯魚などの水草として育てる

・戸外で睡蓮鉢で育てる

この2つが主な選択肢になります。

室内で育てるメリット・デメリット

メリット

・日によっての天候や気温を気にする必要があまりない

・専用ライトを用いることで安定した光を供給できる

・害虫がつくことがほぼない

・インテリアとしても活用できる

デメリット

・水槽の場合は費用がかかる

・室内のスペース確保が必要

・通気を保つのにファンなど追加費用がかかる

戸外で育てるメリット・デメリット

メリット

・春から秋にかけて自然光の日照は大きく生長を促すことができる

・費用がほとんどかからない

・庭やベランダがオシャレな雰囲気になる

デメリット

・スペース確保が必要

・害虫がつく可能性がある

・屋根がない場合は天候によっては避難させる必要がある

どちらもメリットデメリットはありますが、

どのような環境下で栽培していくのかを明確にすると良いです。

ネぺ吉
ぼくはお魚と一緒にアクアリウムとして育てるのが良いと思うな
わたしも
ネペ花

田土を入れる

前述した通り、ミジンコなどの微生物(プランクトン)がいると、捕食しタヌキモ(水生ウトリクラリア)は元気に育ちます。

そこで、底から5cm程度の田土を入れ、沈殿させます。

多く入れすぎないようにし、有機物や浮遊物があったら取り除きます。

抽水植物のクワイやオモダカなどを植え込むと有機酸の補給によって調子が良くなります。

長繊維ピートモスを入れる

弱酸性の水質を保つために長繊維ピートモスを入れましょう。

投入の際は、ネットに入れて、二週間から一か月で取り除きます。

補充用の水を用意する

汲み置きした水道水を10日ほど経ったものを常時準備しておき、

蒸発した水に使用してください。

特に夏場は戸外では日に日に水が減っていきます。

緊急時はアクアリウムなどに使われるカルキ抜きでカルキを抜くことはできますが、

あまり望ましくありません。

タヌキモ(水生ウトリクラリア)を購入し、容器に入れる

ここまでの準備をしてようやくタヌキモ(水生ウトリクラリア)を入れることができます。

陸生植物は空中湿度や温度が大切なので、種類によっては温室やクーラー、保温器具などが必要になりますが、

タヌキモ(水生ウトリクラリア)のような水生生物は水の環境が最も大事です。

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タヌキモ(水生ウトリクラリア)の日当たり・飼育場所

タヌキモ(水生ウトリクラリア)は暖かく日の当たる場所を好みますが、真夏の直射日光には強くありません

季節によって適切な日当たりの環境を作ることで、すくすく育ちます。

ネぺ吉
真夏の日光はつらい
しお、、
ネペ花

ただし、水槽などで専用ライトを使用する場合は適切なライトを選べば特に気にする必要はありません。

春、秋

気温が15度から20度後半の春、秋は直射日光に当てても問題ありません。

飼育方法によってですが、存分に陽の光りが当たるようにしましょう。

30度を超える真夏は直射日光が直接当たる環境は避けます。

間接的に光が当たるようにするかスダレなどで陰を作ると良いでしょう。

冬は戸外であっても陽の光が弱く、生長が止まる種が多いです。

気温が下がってきたら室内に移し、植物用のライトなどを当てるか、

日差しの入る窓越しが適しています。

タヌキモ(水生ウトリクラリア)の温度・湿度管理

タヌキモ(水生ウトリクラリア)の生育環境は日本に四季に順応している種がほとんどです。

そのため、特別な環境を用意する必要はありません。

ネぺ吉
まじか
羨ましい
ネペ花

強いて言うなら、真夏の猛暑と真冬の寒波時のみ気をつけるといいです。

夏に気をつけること

猛暑で35度を超える気温の日は葉が焼けたり、弱ってしまう場合があります。

猛暑かつ無風の日は非常に危険です。

暑すぎる日は少し涼しい環境に移してあげましょう。

また水の蒸発も早いので、腰水栽培でも気づいたらあっという間になくなってしまっている場合もあります。

一日に一回は水やりの際に注意深く確認して、なくなっていたら水を足してあげる必要があります。

冬に気をつけること

冬の寒さには非常に強いですが、氷点下に下がらない環境下で管理してあげましょう。

雪が降ったり、明け方に路面凍結するような地域の場合は戸外に置いたままにしておくと凍結して枯死してしまう可能性があります。

その場合は室内で管理できる所などに移してあげてください。

通気

タヌキモ(水生ウトリクラリア)を育てる上でもう一つ大事なのが、通気です。

空気が停滞しやすい水槽などは特に注意が必要で、完全な密封空間にはならないようにし、

気温が上がる夏場などはタヌキモ(水生ウトリクラリア)には直接風が当たらないように気をつけながらファンなどを設置しましょう。

タヌキモ(水生ウトリクラリア)のオススメ育成方法

タヌキモ(水生ウトリクラリア)がすくすく育つ環境を作るためには余計なストレスを与えないことが大事です。

水槽で育てる

インテリアとしても楽しめる飼育方法。水槽の中で育てるため、湿度や光調の管理が楽です。

アクアテラリウムとして上手く作ることができれば、オシャレなインテリアにもなり、近年は人気が急上昇中です。

必要な設備を整えるまで少し費用はかかります。

水槽の大きさ

タヌキモ(水生ウトリクラリア)のみを栽培するのであれば20cmから45cm程度の水槽で十分です。

時折、様々な種を同じ水槽で栽培しているアクアリウムを見かけるのですが、他の種を入れる場合は様子を見てからにしましょう。

水槽の置く場所

主に人工ライトによって光合成を促すことになるため、日の当たらない場所でも問題ありません。

アクアテラリウムにする場合は水を入れるため、

かなりの重量になります。安定感のある台に設置するのが望ましいです。

害虫・病気

室内の水槽であれば、害虫はほぼつくことはありません。

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タヌキモ(水生ウトリクラリア)を育ててみよう

タヌキモ(水生ウトリクラリア)の育て方からおすすめの育成方法までご紹介してきました。

虫を捕まえる独特な見た目と構造は一度ハマると、とても愛着のわく植物だと思います。

他の食虫植物とは異なり水草として生長していく様子はとても面白いです。

ぜひタヌキモ(水生ウトリクラリア)の栽培に挑戦してみてください。

ネぺ吉
最後まで読んでくれてありがとう
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ネペ花
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  • この記事を書いた人

ネペ吉

ネペンテス(ウツボカズラ)にハマった食虫植物。 仕事はセレクトショップにて8年経験ののちWEB業界に転職した。 柴犬を飼って、自然に囲まれた場所で生活をすることが夢。

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