ドロセラ(モウセンゴケ)ってどんな植物?食虫植物って?
この記事はこのような方にオススメ
- ドロセラ(モウセンゴケ)がどのような食虫植物なのか知りたい
- ドロセラ(モウセンゴケ)の捕食方法を知りたい
- どのような種類があるのか知りたい
- 育て方を知りたい
実は日本人にとってなじみのある(?)な食虫植物、ドロセラ(モウセンゴケ)。
不思議な形が人気なドロセラ(モウセンゴケ)の基本情報を紹介します。
実は身近なドロセラ(モウセンゴケ)
奇妙な形をした不思議な食虫植物。
その中でも日本人にとってなじみ深いと言えるのがドロセラ(モウセンゴケ)と呼ばれる食虫植物です。
昨今の食虫植物ブームでその見た目や動きから一気に人気な種の一つとなりました。
身近な存在なのはご存知でしょうか?
食虫植物とは
食虫植物ってなんなのでしょうか。
書いて字のごとく、虫を食する植物、ということなのですが、 虫を捕まえても食べない植物も存在します。
どこからが食虫植物なのでしょうか。
食虫植物しょくちゅうしょくぶつ
昆虫や小動物をとらえ、消化、吸収して栄養をとる植物の一群。日本では2科4属、約20種が知られる。
食虫植物は普通の植物と同じように光合成、窒素同化を行って独立栄養の生活をするが、尾瀬ヶ原(おぜがはら)湿原のような窒素分を欠いた酸性の土壌条件のもとでも多くの種は生活が可能である。
(引用 https://kotobank.jp/)
昆虫や小動物を捕らえ、消化・吸収して栄養を摂る、 というのが食虫植物の定義になります。
なので、捕まえて食べちゃうよ、ってことまでする植物のみ食虫植物ってことですね。
主な食虫植物
ドロセラ(モウセンゴケ)と同じくらい人気なのが、 「ディオネア(ハエトリグサ)」や「ネペンテス(ウツボカズラ)」)です。
他にも、「サラセニア」、「セファロタス」など、 世界で12種19属600種以上、 日本でも20種が確認されています。
捕食方法
虫や小動物を捕まえる食虫植物には、種によって様々な捕食形態に進化しています。
主な捕食方法は4つあります。
・落とし穴式
・挟み込み式
・粘り付け式
・吸い込み式
ひとえに食虫植物といっても、環境によって見た目も捕食方法も全然違います。
この独特なフォルムは他の植物にはないので、一度ハマると長年育てる愛好家が絶えないのもうなづけます。
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ドロセラ(モウセンゴケ)の基本情報
食虫植物の中でも人気のドロセラ(モウセンゴケ)は北半球の高山や寒地から温帯まで広く分布おり、
日本では北海道から九州までの湿地帯に自生しています。
ほとんどの都道府県でレッドリストと呼ばれる絶滅危惧種に指定されていて、自然界では滅多にお目にかかることはないかもしれません。
このドロセラ(モウセンゴケ)は、食虫植物の中でも特に種類が豊富です。
まずはドロセラ(モウセンゴケ)の生態について紹介していきます。
捕食の仕組み
葉に付いた線毛と呼ばれる器官からねばねばの粘液を出して、虫をとらえます。
虫をとらえた葉はたくさんの粘液を出し、徐々に虫を絡めとっていき、
粘液にまざっている消化液でじわじわと虫をゆっくり分解し、養分を吸収していくのです。
葉の形状や好む環境などは生育環境によって大きく異なり、一言でドロセラ(モウセンゴケ)といっても本当に多種多様な見た目や育て方が楽しめます。
分類
ドロセラ(Drosera)は和名モウセンゴケ属の食虫植物です。
分類 | 被子植物 | angiosperms |
真正双子葉類 | eudicots | |
目 | ナデシコ目 | Caryophyllales |
科 | モウセンゴケ科 | Droseraceae |
属 | モウセンゴケ属 | Dorosera |
モウセンゴケというと、ドロセラロタンドルフィア(Drosesa Routundifolia)のことを指すのですが、日本では総称としてモウセンゴケと呼ばれることも多いです。
野生では約200種以上が知られていますが、近年はその独特な見た目から、観葉植物としても人気です。
特徴・生息域
ドロセラ(モウセンゴケ)の特徴、生息域です。
園芸分類 | 観葉植物、熱帯植物、食虫植物 |
園芸分類 | 多年草 |
草丈 | 5cm〜100cm |
耐寒性 | 品種による |
耐暑性 | 品種による |
北半球の広域に分布しており、
北アメリカ、ユーラシア大陸の高山や寒地、温帯に生息しています。
その生育範囲の広さも一つの特徴で、日本でも約20種のドロセラ(モウセンゴケ)が確認されています。
ここまで広域に生息している植物は非常に珍しく、ドロセラ(モウセンゴケ)に様々な種類が存在するようになったのも、 この広分布が影響していると言われています。
名前の由来
ドロセラはギリシャ語のdrosaros(露を帯びた、露の多い)が語源となっています。
葉に多数の線毛が密生していて、粘液を分泌するさまが露を帯びたように見えることから名づけられました。
和名として使われているモウセンゴケは赤く色づく線毛によってあたり一面に生育している場所がまるで「毛氈」を敷いたようにみえることから、
「毛氈苔」と呼ばれています。
日本ではミズゴケなどの湿地帯に生息していることから苔が付けられていますが、コケ類ではありません。
ドロセラ(モウセンゴケ)の花
ドロセラ(モウセンゴケ)は種によって開花時期が大きく異なるのですが、
3月~8月に開花します。
中々見れることがないので、見れたらかなりラッキーです。
どんな花を咲かせるの?
食虫植物はその捕食の外見では想像できないような可愛い花を咲かせる種がいます。
ドロセラ(モウセンゴケ)もその一つで、
5~30㎝ほどの茎に沢山の花を付けます。
白くて5枚の花びらがとてもかわいらしく、種によってはピンク色の花を咲かせたりもします。
ドロセラ(モウセンゴケ)の花言葉
花言葉:詐欺、不誠実、無神経、物思い
食虫植物はどの種も花言葉が手厳しいですが、
ドロセラ(モウセンゴケ)はその中でも特にキツイ花言葉です。
詐欺や不誠実、無神経というのは人間が勝手に連想して付けただけですが、、。
名付けた当時の人々によって、食虫植物は恐怖の対象だったのでしょう。
昨今は人気な観葉植物ですけどね。
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ドロセラ(モウセンゴケ)って育てやすいの?
ドロセラ(モウセンゴケ)は広域に分布している食虫植物なだけあって、生息している地域によって環境が大きく異なります。
主に
・寒地性
・温帯性
・熱帯性
などに分類されます。
どの種を栽培するかによって育て方や難易度は大きく変わりますが、
この中でも「温帯性」の種類であれば、日本での栽培との相性が良いです。
実際に日本で販売されているほとんどが「温帯性」もしくは「熱帯性」に分類されます。
ほとんど温帯性だよ
「寒地性」は夏場の暑さに絶えられないため、専用のクーラー室などが必要になります。
ここで紹介するのは温帯性ドロセラ(モウセンゴケ)の育て方になります。
基本的な育て方
ドロセラ(モウセンゴケ)含む食虫植物は虫を食べて生長すると誤解されがちですが、光合成のみで生長します。
日常の手入れはほとんど必要とせず、季節問わずあまり気を使わなくとも元気に育ちます。
一年を通して光が当たる日陰が適しています。
ドロセラ(モウセンゴケ)の育て方は主に2通りあります。
コスパが良く簡易設備で育てることができる最も簡単な方法です。
・水槽などゲージで育てる
インテリアとしても楽しめる飼育方法です。
一通りの設備を整えるのに多少のお金はかかりますが、湿度や光調の管理が楽です。
日当たり
ドロセラ(モウセンゴケ)は日の当たる場所を好みますが、直射日光には強くありません。
鉢で育てる場合は春から秋にかけては戸外の光が当たりやすい日陰の環境に置きます。
直射日光を避け、すだれなどで日の当たりを拡散させるか、間接的に日光が当たるようにするのが良いです。
秋から春にかけては日光がそこまで強く無いので、直射日光でも問題ありません。
冬は凍結、霜が避けれる場所に移すのが望ましいです。
水槽で育てる場合は光量のあるライトを使用し、夜はしっかりと電気を消してあげましょう。
ライトのオンオフが面倒な方はスマート電源を使うのもオススメです。
水やり
水が好きというよりは水のある環境を作る必要があります。
鉢で育てる場合は、「越水栽培」にし、春から秋にかけては用土を乾かさないように頻繁に水をあげます。
冬は気温が低いため、乾いたら水やりをするくらいがちょうど良いです。
水槽で育てる場合は、週に一回から二回ほど水やりをしてください。
湿度が高いため、カビには要注意。
植物専用のカビを抑えるスプレーがあると良いです。
用土
ドロセラ(モウセンゴケ)は根からの養分を必要としないため、栄養素の高い用土は向いていません。
元々が栄養が枯渇した環境に生息しているため、水苔が適切と言われています。
根を水苔でしっかりと包み、年に一度ほど交換するのが良いです。
気をつけること(害虫・病気)
とくにありません。
虫って寄ってくる?
虫が寄ってくるかというのは諸説あるのですが、戸外で育てると虫が寄ってくることはあるそうです。
気になる方は室内のみで育てる方が良いかもしれません。
水が豊富な環境を好むので、テラリウムのようにするのも良いかもしれません。
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ドロセラ(モウセンゴケ)にはどんな種類があるの?
ドロセラ(モウセンゴケ)には200以上の種がおり、もっとも広域に生息している食虫植物です。
そのため、同じドロセラに属する種であっても見た目も特性も大きく異なります。
ここでは日本国内で主に出回っている温帯性をはじめ、人気の種を紹介していきます。
代表種
ドロセラ・ビナータ Drosera.binata
ヤツマタモウセンゴケと呼ばれる大型種で、長い捕虫葉が特徴。
葉がよつまたに広がるヨツマタモウセンゴケやふたまたのサスマタモウセンゴケなどもこのビナータに分類されます。
ドロセラ・アングリカ Drosera.anglica
日本の北海道や尾瀬、南ヨーロッパなどに広く分布している種です。
和名はナガバノモウセンゴケと名付けられています。
ドロセラ・スパスラタ Drosera.spatulata
ぷっくりしたフォルムが可愛くて人気な種です。
日本原産で、コモウセンゴケと呼ばれています。
人気な種
ドロセラ・カペンシス Drosera.capensis
和名アフリカナガバノモウセンゴケは南アフリカに自生している大型の種です。
とても丈夫で、ホームセンターなどでよく販売されています。
赤みの強い「カペンシス レッド」や白い「カペンシス アルバ」などいくつかの種があります。
ドロセラ・ブルマニー Drosera.burmannii
ぽっくりしたフォルムのブルマニーは小型の一年草で、
和名クルマボモウセンゴケと呼ばれます。
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ドロセラ(モウセンゴケ)ってどこで買えるの?
ドロセラ(モウセンゴケ)含む食虫植物って、いざ欲しいとなると中々見つからなかったりします。
それもそのはず、販売時期や、販売しているリアル店舗は限られているのです。
気になっていざ育てようかな、と思った時に、お住まいの近隣で販売されているかを事前に把握しておかないと、
予想以上に探すのが大変だったりします。
今はWEBもあるので、ECや専門店で購入できるのですが、
特に初めて買う、という時はやっぱり実物を見て選びたいですよね。
目安の販売時期
販売が始まる目安:3月
最も販売個数が多い:4月〜6月
探せば手に入る:7月〜10月
WEB以外だと見つけるのが難しい:11月〜2月
だいたい3月の頭くらいから販売されます。
冬はネット以外で入手するのは直売所やイベントを除くとかなり難しいでしょう。
市場に出回るのは大体4月くらいからなので、気温が上がってきてそろそろ半袖も着れるかな、というタイミングが最も良いと思います。
いくらくらいで買える?
ドロセラ(モウセンゴケ)は食虫植物の中でも、種によって値段の差はありますが手ごろな価格帯だと言えます。
手のひらサイズなら500円くらいから1000円ほどで購入できます。
レアな種になるとサイズに関わらず少し値がはるものもありますが、例えばネペンテス(ウツボカズラ)のハイランド種など他の食虫植物よりは断然安いです。
どこで売ってるの?
リアル店舗では以下のようなお店に売ってることが多いです。
(多いといっても、食虫植物は人気の観葉植物と比較するとニッチなので、お店によりけりです)
・ホームセンター
・園芸専門店
・お花屋さん
・植物園の売店
・ペットショップ
100%販売していると言えるのは上記のようなお店より、食虫植物関連のイベントに行くのが良いと思います。
季節によっては植物園で「食虫植物展」を開催していたりもします。
意外と見つからないのがぼくら食虫植物
チェーン系のホームセンターだったらほとんどのお店で販売されていたので、「食虫植物を販売しているお店」を把握すると案外すぐ見つかるかも知れません。
ホームセンターで購入
ホームセンターといっても色々なお店がありますし、
食虫植物が販売されているかはやっぱりお店に行ってみないとわかりません。
その中でも、6月〜8月にかけて色々なホームセンターを回ってみたのですが、ほぼ100%取り扱っていたのが、「コーナン」です。
ここではドロセラ(モウセンゴケ)などの手のひらサイズ食虫植物が数多く販売されていました。
ネットで購入
最も手頃に購入できるのはやはりネットショップになります。
特に住まいの近くにホームセンターがなかったり、探し歩く労力をかけたくない方はネットの方が良いかもしれません。
一つは3大モールです。
ネットは直で個体を確認したりはできないので、お店や商品のレビューをしっかり確認してからの購入をお勧めします。
最近は親切な店舗の担当者が多いので、心配な方は一度問い合わせてみてから購入を検討するのも良いかもしれないですね。
季節問わず販売しているのと、ホームセンターやショッピングモールでは手に入らない種が手に入るのが最も強みと言えるのではないでしょうか。
その品種の多さや価格の幅にも圧倒されますが、〇〇を育てたい、と食虫植物を育てているとなってくる(人によると思いますが笑)と、ホームセンターなどでは満足できなくなります。
いくつものショップがあるのですが、個人的にお勧めしたいのは下記のお店です。
山田食虫植物農園が運営しており、種類の豊富さ、個体の状態の良さなどでマニアに人気なようです。
ネットでの購入に抵抗がなければ、利用してみてはいかがでしょうか。
直売所やイベントなどで購入
食虫植物愛好家の団体が不定期で開催している直売会や、
「食虫植物」関連のイベントなどでも購入ができます。
僕は夏に大阪の植物園で開催していた、「虫を食べる植物展」でネペンテス(ウツボカズラ)が販売されているのを見つけました。
訪れた日は常設ショップでの販売しかしていなかったのですが、日によっては直売会が開かれているようでした。
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大阪の植物園 咲くやこの花館 イベント「虫を食べる植物展2021」①
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気になったら一度購入してみては?
何事もやってみないとわからないとは思うので、ドロセラ(モウセンゴケ)が気になる方はぜひ育ててみてはいかがでしょうか。
僕は昔から気にはなっていたのですが、中々購入する勇気がでず、大人になって初めて購入しました。
ドロセラ(モウセンゴケ)にしかない線毛と粘液は日によっても差がでますし、毎日見ていて飽きません。
少しずつ大きくなってくると愛着も湧いてきます。
マニアの方だと、毛が多くて可愛い(?)とか、やはり知っている人にしかわからない魅力がどんどん見えてくるのでしょう。
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ドロセラ(モウセンゴケ)を育ててみよう
ドロセラ(モウセンゴケ)の生息域や育て方、購入方法までご紹介してきました。
虫を捕まえる独特な見た目と構造は一度ハマると、とても愛着のわく植物だと思います。
また、室内のインテリアとしてもドロセラ(モウセンゴケ)がいるだけで雰囲気がガラッと変わります。
ぜひこの機会にドロセラ(モウセンゴケ)を育ててみてはいかがですか。
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