この記事はこのような方にオススメ
- 食虫植物が上手く育たない
- ネペンテス(ウツボカズラ)の袋が付かない
- 冬越しをどうするか悩んでいる
- 家庭用温室の購入を検討している
食虫植物を栽培する上で、最も頭を悩ませるのが
「温度・湿度の管理」ではないでしょうか。
特にネペンテス(ウツボカズラ)はローランド種、ハイランド種共に高湿度が推奨されている種が多いです。
高湿度でなくとも栽培自体は可能ですが、
捕食袋を付けるのには温度と湿度の管理は必須です。
そこで高湿度や温度管理が比較的しやすいのは「室内用温室」ですよね。
今回は、家庭用温室の選び方と、オススメの人気商品を紹介していきます。
初めての家庭用温室購入を検討している方や、追加での購入を考えている方の参考になったら幸いです。
家庭用温室って?
元々は家庭菜園やガーデニング用として、植物を冷たい風や雨などから守り、栽培に適した環境を作る目的で作られたのが家庭用温室です。
昨今は様々な種類の温室が販売されていて、小型のものから、大きな植物を育てられるハウス型まで沢山の種類があります。
小型の温室
ハウス型の温室
食虫植物栽培といっても、求める大きさや機能は人それぞれです。
ただ、販売メーカーは多いし、素材や種類も多いしで、悩んだあげく価格帯でとりあえず選んだという人も多いのではないでしょうか。
家庭用温室の選び方
選ぶ際にチェックしておきたい4つのポイントと注意点を紹介していきます。
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1素材で選ぶ
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2サイズで選ぶ
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3価格帯で選ぶ
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4設置のしやすさで選ぶ
ガラス?ビニール?素材の特徴で選ぶ
見た目がお洒落で玄人感のあるガラス素材の温室
見た目がオシャレで、温室といったらガラス製をイメージする方が多いのではないでしょうか。
耐久性の高いガラスは風による転倒や破損がしにくく、経年劣化も少ないため、長く使い続けることができます。
ただ、ネックなのが安価なガラス製温室が今は製造されていないため、かなりの高価になるのと、
重量があるため、持ち運びが困難、割れたりヒビが入ると危険な点もあります。
お手頃価格で設置が簡単なビニール素材の温室
WORTH GARDEN ビニール温室 四段(ワイド) 園芸ラック 寸法:102x49x160CM (緑)
家庭用温室では最も種類が豊富で、初心者にオススメの素材です。
値段が安価で、サイズも小型から大型まであり、簡単に組み立てができます。
戸外で設置する場合、風などで飛ばされてしまったり、熱がこもりすぎてしまうことがあるので注意が必要です。
また、保温性はほとんどありません。
どの個体を温室栽培する?栽培する数と個体でサイズを選ぶ
温室に入れる個体の数によってサイズを選びましょう。
食虫植物は種類によっては一年で大きく生長します。
例えば、ネペンテス(ウツボカズラ)はどんどん上に伸びていくので、想定の2倍から3倍の高さを確保できるサイズにすると安心です。
サラセニア(ヘイシソウ)やディオネア(ハエトリグサ)の場合は温室がなくても問題なく育ちますが、もし温室を使用する場合は面積の確保が大事です。
食虫植物の沼にハマるとどんどん色々な種類を栽培していきたくなるので、
少し大きめの方が良いかと思います。
予算はどれくらい?価格帯で選ぶ
大きく分けると、素材によって値段が変わります。
ガラス素材の場合は安くても3万円~(既に廃盤になっているものも含みます)、そこまで大きくなくても10万円くらいが相場です。
ビニール素材は安いものであれば3000円くらい、室内用で大きなものでも2万~3万円以内で購入できます。
戸外用に作られた大型ビニールハウスは10万円以上します。
室内?戸外?設置場所で選ぶ
室内にするか、戸外にするかによっても選ぶ温室は大きく変わってきます。
室内であれば、スペースが限られてくるため、ラックになっているビニール温室や小型のガラス温室が向いています。
戸外の場合はビニール温室は風で飛ばされたり、雨ですぐに傷んでしまう可能性があるため、予算に余裕があればガラス温室の方が良いです。
注意点
よくある失敗として、
・値段を最優先にして、植物が想定通りに育たなかった
・サイズを間違えた
・ヒーター非対応だった
・植物の生育が早く、サイズをもっと大きいものにしておけば良かった
などが挙げられます。
もちろん、値段を最優先すること自体は間違いではないと思いますが、
僕は値段よりもサイズや設置のしやすさ、保温性の高さなど機能面を考慮すべきだと考えます。
家庭用温室を購入する大前提が「今よりも快適な環境を作るため」なはずなので、
その目的にそぐわないものを購入したら元も子もないからです。
グロウテントって知ってる?
ところで、近年人気の室内栽培テントってご存じですか?
自宅で、農作物や観葉植物を栽培するために作られたテントで、非常に使い勝手が良いです。
グロウテントのメリット
・強固なパイプを使用し、外面を厚手の遮光布で被覆した組み立て式の温室テント
・発芽から成長期、収穫期まで栽培ができる
・保温性、保湿性が高く冬越しにも良い
・通気口やダスト口が設置されている
・ライト設置用のスペースが用意されている
グロウテントってメリットだらけなんですよね。
特に、保温や保湿に優れているのは食虫植物栽培には特に向いているのではないでしょうか。
また、反射率の高い内装材を使用しているため、ビニール温室やガラス温室よりも植物に多くの光を与えることができます。
更に価格帯もビニール温室とあまり変わらず、軽いため持ち運びも簡単。
グロウテントのデメリット
ただし、全てにおいて万能というわけではありません。
・夏は温度や湿度がこもりやすい
・適度な通気をしないと臭いや菌、カビなどがこもる
・見た目はオシャレとは言い難い
・戸外でも使えるが劣化が早い
特にオシャレなインテリアとして活用するのであればオススメはできません。
食虫植物をより良い環境で快適に過ごしてほしい方向けと言えます。
戸外での栽培ができるグロウテントもありますが、
防水というわけではないので室内での使用の方が良いです。
温室どれにする?食虫植物栽培にオススメの家庭用温室10選
・ビニール温室
・ガラス温室
・グロウテント
この中でも食虫植物栽培に特にオススメの家庭用温室を厳選して紹介していきます。
安価なものもありますが、食虫植物にとって最も大事な環境づくりに直結するため、じっくり吟味することをおすすめします。
ビニール温室3段 GRH-N02T(ビニール温室)
パーツを差し込むだけで簡単に組み立てられる3段ラックのビニール温室です。
棚版は1枚につき15kgまで載せることが可能なので、多少大きな鉢でも問題ありません。
また、カバーは紐で固定することができます。
価格を抑えて簡易的な温室を探している方に
フラワースタンド温室 FOST-90BK(ビニール温室)
すぐに組み立てができ、フラワースタンドや園芸棚にかぶせて使用するビニール温室です。
省スペースでも活躍するサイズ感と、入り口が大きく開くようになっているのが人気な点です。
別売りで換えカバーが販売されているのも、ビニールが破れてしまった場合に安心ですね。
カバーのみの温室を探している方に
PVCビニール ガーデン温室(ビニール温室)
複数の植物を育てたい方にオススメの棚付き温室です。
20、30分ほどで組み立てできる簡易さと、幅・高さともに十分なスペースが確保できるところが人気です。
こちらも換えカバーのみの販売があります。
複数の植物を一緒に管理したい方に
ヒロガーデンライト Type-A カンノンドアタイプ(ビニール温室)
高さ215㎝、幅190㎝、奥行き300㎝の本格ビニールハウスです。
パイプは埋め込み式になっていて、ビニール温室の中ではサイズ、頑丈さ共に上位に位置します。
食虫植物栽培家が戸外栽培に使用していることも少なくありません。
スペースが確保できるのであれば価格もこのサイズの中ではかなりお手頃です。
本格仕様の栽培をしたい方に
スワン商事 折り畳み温室 FGO-900L(ガラス温室)
高さ120㎝、幅140㎝、奥行き90㎝の小型ガラス温室です。
ピカコーポレーションの小型温室が廃盤になったこともあり、このサイズのガラス温室はかなり少ないです。
値段はそれなりにしますが、作りがしっかりしていて、見た目もオシャレなところが人気です。
折りたためるのは良い点ですが、かなりの重量になるため、室内やベランダで使用する場合は設置場所が重さに耐えうるのか確認した方が良いです。
小型のガラス温室でオシャレさも演出したい方に
アルミ製ガラス温室B-1型(ガラス温室)
高さ237cm、天窓が付いているガラス温室です。
3段階に開けられる天窓と、アルミでできたデザインがお洒落な温室です。
高さもそれなりにあるため、上中下に数多くの植物を入れることができます。
食虫栽培家で愛用してる方も多くいます。
本格ガラス温室で栽培したい方に
アルミ製ガラス温室B-2型(ガラス温室)
高さ237cm、桁行357㎝の家庭用温室の中で、最大クラスのガラス温室です。
こちらも天窓が3段階で調整でき、アルミでできた丈夫なフレームと十分すぎる栽培スペースは、
いつかはこれで育てたい、と思っている愛好家の方も多いのではないでしょうか。
予算に余裕があり、本格ガラス温室で栽培したい方に
SUGGEST グロウボックス(グロウテント)
高さ120㎝、幅・奥行き60㎝のコンパクトサイズのグロウテントです。
シンプルな作りで、そこまで大きくない植物であれば向いているサイズになります。
同ブランドでもう一回り大きいサイズのグロウテントもあります。
省スペースで栽培したい方に
Hyindoor グロウボックス(グロウテント)
人気ブランドHyindoorが販売しているグロウテントです。
カラーリングや通気口、観賞用の窓が付いている高機能な点と、
幅広いサイズ(最大幅304㎝、奥行き304㎝のモデル)展開が人気の理由です。
植物にとって理想の環境で栽培したい方に
Gorilla Grow Tent (グロウテント)
Hyindoorと並んで人気のGorillaのグロウテントです。
こちらも幅広いサイズ展開がされていますが、このモデルは幅274㎝ありながら、奥行きが154㎝と大型タンスのようなサイズ感になっています。
大きな栽培スペースが確保できつつ、室内の家具サイズとも親和性が高く、配置しやす点がポイントです。
植物にとって理想の環境で栽培したい方に
温室を自作するのって有り?
ここまでオススメの温室をいくつか紹介してきましたが、
最も安価にできる方法として、「自作で温室を作る」という方法もあります。
昨今のDIYブームもあり、自分で温室を作ることを考えている方もいるかと思います。
温室を自作するメリット
・棚とビニールの組み合わせで簡易的な温室ができる
・費用を抑えられる
・自由度が高い
自分の好みのデザインや棚で作れるのが良いところですよね。
温室を自作するデメリット
・植物にとって理想の温室ができるとは限らない
・自作に時間と手間がかかる
・替えのカバーなどが販売されているわけではないため修理時にも自分で全て行う必要がある
・密閉や通気を考えて設計する必要がある
価格が抑えられ、自分好みでできる反面、
専門的に作られた温室と比べると、
植物がうまく育つかわからないのがネックです。
多少の予算があれば、メーカーの温室を購入するのが良いのではないでしょうか。
温室で食虫植物に快適な空間を作ろう
食虫植物を栽培する上ではもはや欠かせない空間づくりの要となるのが「温室」です。
特にネペンテス(ウツボカズラ)など、高温多湿を好む品種を栽培する際にはぜひとも購入をオススメします。
僕も以前は温室なしで栽培をしていましたが、温度・湿度管理共に部屋に依存していて、中々捕食袋を付けるのが難しかったです。
それが温室栽培をするようになってからは想像以上に管理しやすくなり、捕食袋も以前より付きやすくなりました。
きっと食虫植物たちも快適に過ごしてくれてるんじゃないかと思います。
温室の購入で悩まれている方の参考になると幸いです。
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