ムシトリスミレ(ピンギキュラ)の育て方って?
この記事はこのような方にオススメ
- ムシトリスミレ(ピンギキュラ)の育て方を知りたい
- 用土や植え替え方法を知りたい
- 管理方法を知りたい
日本では古来から生息している食虫植物のムシトリスミレ(ピンギキュラ)ですが、
しっかりと基本を抑えて育てれば難しくはありません。
ムシトリスミレ(ピンギキュラ)含む食虫植物は虫を食べて生長すると誤解されがちですが、光合成と水のみで生長します。
一年を通して光が当たる環境が理想です。
すでに購入し育てている方も、これから育てようと検討している方も、育て方や栽培環境の参考にして頂けると嬉しいです。
最後まで読んでね~
ムシトリスミレ(ピンギキュラ)を育てる
ムシトリスミレ(ピンギキュラ)は世界でも最も広域に分布している食虫植物で、寒い地域から熱帯まで様々な環境で生息しています。
主に、3つに分類されます。
・寒地性
・暖地性
・熱帯高山性
日本ではコウシンソウとムシトリスミレの2種がいますが、「寒地性」に分類されるため、育てやすいとは言えません。
日本国内で栽培用として流通している多くは「暖地性」「熱帯高山性」に分類される種です。
ここで紹介するのは暖地性のムシトリスミレ(ピンギキュラ)の育て方になります。
室内で育てるメリット・デメリット
メリット
・日によっての天候や気温を気にする必要があまりない
・専用ライトを用いることで安定した光を供給できる
・害虫がつくことがほぼない
・インテリアとしても活用できる
デメリット
・水槽や温室の場合は費用がかかる
・室内のスペース確保が必要
・通気を保つのにファンなど追加費用がかかる
戸外で育てるメリット・デメリット
メリット
・春から秋にかけて自然光の日照は大きく生長を促すことができる
・費用がほとんどかからない
・庭やベランダがオシャレな雰囲気になる
デメリット
・スペース確保が必要
・害虫がつく可能性がある
・屋根がない場合は天候によっては避難させる必要がある
ムシトリスミレ(ピンギキュラ)の日当たり・飼育場所
ムシトリスミレ(ピンギキュラ)は暖かく日の当たる場所を好みますが、真夏の直射日光には強くありません。
季節によって適切な日当たりの環境を作ることで、すくすく育ちます。
ただし、水槽などで専用ライトを使用する場合は適切なライトを選べば特に気にする必要はありません。
春、秋
気温が15度から20度後半の春、秋は直射日光に当てても問題ありません。
飼育方法によってですが、存分に陽の光りが当たるようにしましょう。
夏
30度を超える真夏は直射日光が直接当たる環境は避けます。
間接的に光が当たるようにするかスダレなどで陰を作ると良いでしょう。
冬
低温に弱い種が多いため、冬は戸外であっても陽の光が弱く、生長が止まる種が多いです。
気温が下がってきたら室内に移し、植物用のライトなどを当てるか、日差しの入る窓越しが適しています。
気温が5度以下いなると弱ってしまう可能性が高いです。
ムシトリスミレ(ピンギキュラ)の水やり
ムシトリスミレ(ピンギキュラ)の生命線である水やりは日光と同じくらい重要です。
湿地帯に生息する種が多いため、湿った環境をいかに作りだしてあげるかが大事です。
水が常にある状態での栽培を心がけてください。
浅めの受け皿に水を1〜3cmほど入れてその上に鉢を置く、「腰水栽培」がオススメです。
季節によって水やりの頻度が変わってきます。
春、秋
春や秋はカラっとした日が多いです。
用土の表面が乾いたら、たっぷりと水を与えましょう。
その日によって湿度や気温は変わりますが、一日一回以上を目安にすると良いです。
夏
真夏は湿度は高いですが、気温も高くなり水が蒸発しやすくもなります。
栽培方法にもよりますが、戸外で育てている栽培家は3時間おきに水をあげる方もいるようです。
日中に高頻度で水をあげるのは中々難しいですが、一日に2、3回は水を与えるのが望ましいです。
冬
冬は乾燥した日が多いため、水やりを頻繁にする方もいるようですが、あまり与えすぎるのは禁物です。
気温も低いため、水を与えすぎると根が腐ってしまうことがあるのです。
用土が乾いたタイミングで水を与えるようにし、霧吹きなどで葉水を行い湿度を保ちましょう。
ムシトリスミレ(ピンギキュラ)の用土
ムシトリスミレ(ピンギキュラ)は保水性と通気性に優れた用土を用います。
本来、食虫植物というのは肥えた土壌ではなく、栄養素の少ない場所で進化してきた植物です。
通常の植物のように根からの養分には期待せず、陽の光と水分で光合成をし、不足分を補うために進化の過程で捕食器官ができるようになったのです。
なので、ムシトリスミレ(ピンギキュラ)を元気に育てるポイントは養分がほとんどない用土で育てることです。
ミズゴケ
ムシトリスミレ(ピンギキュラ)の栽培において、最も一般的な用土が水苔です。
非常に扱いやすく元気に育ち、失敗が少ないと言われています。
初めて栽培される方は水苔を使用するのがオススメです。
鹿沼土
観葉植物によく用いられる鹿沼土は、保水性が良いのが特徴です。
また、植え替え時に用土と根が張り付きにくく、古い土を落としやすいため、
根に与えるダメージが少ない点もメリットです。
ピートモス
水苔などの蘇苔類、ヨシ、スゲ、ヌマガヤなどの植物が堆積し、腐植化した泥炭を脱水し細かくした用土です。
園芸用にもよく用いられており、ホームセンターなどで販売されているムシトリスミレ(ピンギキュラ)にはよく使われていたりもします。
保水性に優れているので、決して悪いわけではないのですが根腐れするという声をよく耳にするので、あまりオススメしません。
肥料
栽培家によって肥料を与えるかどうかは賛否が分かれるのですが、
水苔や鹿沼土でムシトリスミレ(ピンギキュラ)は十分に育つので不要です。
ムシトリスミレ(ピンギキュラ)の植え替え
用土の状態を清潔に保つためには植え替えが必要です。
新しい用土にすると、今まで以上にスクスクと育ってくれるようになります。
水苔などの有機質の用土は1年、鹿沼土などの用土は2、3年に一度植え替えするのが良いです。
適切な時期
気温が低く大きく生長する前の2月から4月が植え替えに向いている時期です。
ムシトリスミレ(ピンギキュラ)が最も生長するのが夏なので、多少植え替えで根を痛めてしまっても、
大きな問題にはなりにくいです。
状態が悪く、どうしても植え替えをしたい場合でも真夏は避けるのが賢明です。
方法
植え替え自体は他の観葉植物と同様の手順で行います。
・移しかえる容器を準備する
・水苔の場合は事前に水を差し、フカフカの状態にする
・ムシトリスミレ(ピンギキュラ)本体を根を傷つけないように底から持ち上げる
・古い水苔を取り除く
・腐っている根の部分をハサミで切り取る
・新しい水苔で根を包み、容器に入れる
気を付けること
根があまり強くないため、古い用土を覗く際は細心の注意を払いましょう。
乾燥に弱いので、植え替えの際には長時間放置することがないようにスムーズに行ってください。
ムシトリスミレ(ピンギキュラ)の温度・湿度管理
暖地性ムシトリスミレ(アメリカン・ピンギキュラ)は種によって差がありますが、夏の猛暑にも、冬の寒波にも耐えれる種はあまりありません。
そのため、気温が高すぎる日や寒すぎる日は室内に移動するなどは必要です。
夏に気をつけること
猛暑で35度を超える気温の日は葉が焼けたり、弱ってしまう場合があります。
猛暑かつ無風の日は非常に危険です。
暑すぎる日は少し涼しい環境に移してあげましょう。
また水の蒸発も早いので、腰水栽培でも気づいたらあっという間になくなってしまっている場合もあります。
一日に一回は水やりの際に注意深く確認して、なくなっていたら水を足してあげる必要があります。
冬に気をつけること
冬の寒さには非常に強いですが、氷点下に下がらない環境下で管理してあげましょう。
雪が降ったり、明け方に路面凍結するような地域の場合は戸外に置いたままにしておくと凍結して枯死してしまう可能性があります。
その場合は室内で管理できる所などに移してあげてください。
通気
ムシトリスミレ(ピンギキュラ)を育てる上でもう一つ大事なのが、通気です。
空気が停滞しやすい水槽などは特に注意が必要で、完全な密封空間にはならないようにし、
気温が上がる夏場などはムシトリスミレ(ピンギキュラ)には直接風が当たらないように気をつけながらファンなどを設置しましょう。
ムシトリスミレ(ピンギキュラ)の増やし方
ムシトリスミレ(ピンギキュラ)は2つの方法で増やすことができます。
・葉ざし
・株分け
になります。
葉ざしに適した時期
生長前の12月から3月が向いている時期です。
夏でも葉ざしはできなくはないですが、冬の方が葉が肉厚なため、成功率は比較的高いようです。
葉ざしの方法
大きく育ったムシトリスミレ(ピンギキュラ)を増やす際に適しています。
痛みのない元気な葉を使用するのがポイントです。
発根には数週間かかるため、植え付けたい時期から逆算して準備をします。
①葉ざしする部分を決める
②葉を基部から外す
③水苔に載せ、密閉した明るい日陰に置く
④数週間経ち、発芽したことが確認できたら鉢に入れ、生長を見守る
株分けに適した時期
2月から5月が向いている時期です。
特に夏から秋は極力避けるようにします。
株分けの方法
株分けをする場合は葉の付け根部分にある根茎を切り取ります。
とにかくスピード勝負になるので切り取った挿し穂はすぐに水につけることが大事です。
①葉の付け根部分にある根茎を斜めに切る
②葉を半分に切る
③バケツなどに水を入れ、挿し穂を水につける
④鉢を用意し水苔で挿し穂を植える
何よりも切り取った部分を乾燥させないことが成功の秘訣です
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ムシトリスミレ(ピンギキュラ)のオススメ育成方法
ムシトリスミレ(ピンギキュラ)がすくすく育つ環境を作るためには余計なストレスを与えないことが大事です。
ムシトリスミレ(ピンギキュラ)の代表的な育て方は2つあります。
・鉢で育てる
・水槽で育てる
予算や自宅の環境によって適切な栽培方法を選びましょう。
飼育方法①鉢で育てる
鉢で育てるのが一般的な飼育方法。
鉢や用土を揃える他にはほとんどお金がかからないので、最もコスパが良いです。
鉢の置く場所
春から秋にかけては戸外で日の当たりやすい環境に置きます。
真夏の炎天下の直射日光では逆に弱ってしまう場合もあるため、その際は間接的に日が当たる場所などに移しましょう。
冬は戸外で日の当たる場所かつ、気温の低い環境が望ましいです。
水やり
オススメは受け皿を用意し、1〜3cmの水を入れた上に鉢をおく「腰水栽培」です。
春から秋にかけての水やりは鉢土を乾かさないように頻繁にあげます。
冬は気温が低いため、頻繁に水やりはせず、土が乾いたら水やりをする程度にしてください。
用土
水苔のみがオススメです。
ムシトリスミレ(ピンギキュラ)は元々栄養の少ない土地で生息しているため、肥料の入った土だと逆に元気をなくしてしまう可能性があります。
害虫・病気
戸外で育てていると、ナメクジがつくことがあります。
ナメクジの食害に合わないように梅雨時は特に注意してください。
飼育方法②水槽で育てる
インテリアとしても楽しめる飼育方法。水槽の中で育てるため、湿度や光調の管理が楽です。
パルダリウムやテラリウム、アクアテラリウムとして上手く作ることができれば、オシャレなインテリアにもなり、近年は人気が急上昇中です。
必要な設備を整えるまで少し費用はかかります。
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水槽の大きさ
ムシトリスミレ(ピンギキュラ)は種によって異なりますが、ネペンテス(ウツボカズラ)やサラセニア(ヘイシソウ)のようなスペースは必要ありません。
ムシトリスミレ(ピンギキュラ)のみを栽培するのであれば20cmから45cm程度の水槽で十分です。
時折、食虫植物の様々な種を同じ水槽で栽培しているテラリウムを見かけるのですが、初心者の方にはオススメできません。
十中八九どの種かが枯れることになるので、初めて栽培する場合は一種のみの栽培にしましょう。
水槽の置く場所
主に人工ライトによって光合成を促すことになるため、日の当たらない場所でも問題ありません。
アクアテラリウムにする場合は水を入れるため、かなりの重量になります。安定感のある台に設置するのが望ましいです。
水やり
湿度計を見ながら、週に一回程度の水やりをして下さい。
湿度が高いため、カビには要注意。植物専用のカビを抑えるスプレーがあると良いです。
真夏は高温・高湿度に注意してください。
用土・土台
鉢と同様に水苔のみがオススメです。
根を水苔で包み、流木などの上に設置します。
害虫・病気
室内の水槽であれば、害虫はほぼつくことはありません。
カビによって根が傷んだりしないように気をつけましょう。
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ムシトリスミレ(ピンギキュラ)を育ててみよう
ムシトリスミレ(ピンギキュラ)の育て方からおすすめの育成方法までご紹介してきました。
虫を捕まえる独特な見た目と構造は一度ハマると、とても愛着のわく植物だと思います。
可愛い花を咲かせるムシトリスミレ(ピンギキュラ)は女性の栽培家も非常に多いです。
ぜひこの機会にムシトリスミレ(ピンギキュラ)を育ててみてはいかがですか。
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