ギネス記録を更新した世界最大のネぺンテス(ウツボカズラ)って?
この記事を読むと
- ギネス記録更新のネペンテス(ウツボカズラ)を知れる
- 大きくなる食虫植物を知れる
2022年8月20日、食虫植物のニュースが日本中を駆け巡ったのは記憶に新しいですよね!
兵庫県立フラワーセンターで栽培されているネペンテス(ウツボカズラ)の捕食袋が大きく生長し、ギネス世界最長記録認定されました。
テレビ放送をはじめ、ネットでもLINEニュースやYahoo!ニュースで大きく取り上げられていたのがとても嬉しかったのを覚えています。
そもそもネペンテス(ウツボカズラ)の捕食袋の長さにギネス記録ってあったんだ、ということは置いといて、
どのような種類のネペンテス(ウツボカズラ)がギネス記録を更新したのか紹介していきます!
ギネス記録認定のネペンテス(ウツボカズラ)って?
兵庫フラワーセンターにてギネスの公認認定員により、栽培されているネペンテス(ウツボカズラ)の捕食袋の長さが測定されました。
そして8月20日に正式に認定され、晴れて世界最長記録のネペンテス(ウツボカズラ)となったわけです。
ギネス記録認定の経緯
捕虫袋の高さが約56cmになったため、ギネス記録を目指せるのではないかということで、今回の挑戦に至ったようです。
それまではイギリスのキュー王立植物園のネペンテス(ウツボカズラ)が43㎝の捕食袋として記録されていました。
計測当日は底の部分から蓋の先端までで56.5cm(!)あったとか。
どんな品種のネペンテス(ウツボカズラ)?
発芽後、約40年と推定されている「ネペンテス・トランカータ」です。
今年の3月中旬頃から袋ができはじめ、4月中旬には50cmを超えたそうです。
ネペンテス・トランカータといえば、ミンダナオ島の固有種で、
元々大きな捕食袋をつけることで有名です。
それでもかなり大きく育っても40㎝ほどと言われている中でのこのサイズは驚き以外のなにものでもありません。
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なぜここまで大きな捕食袋をつけることができたのか?
ネペンテス(ウツボカズラ)の栽培は想像よりもかなり難しいです。
株や葉っぱをそれなりに育てるのと、捕食袋を大きく育てるのとでは天と地の差があります。
温度、湿度、光のバランスがうまく適合しないと、大きな袋は付けることができません。
人間やほかの動物と同じように、同じ品種であっても生長の仕方は違うため、
都度、様々な生育環境を試してみて、反応を見るということになります。
ベテランや天才系の栽培家は比較的大きな捕食袋を付けることができるようですが、
50cmを超える捕食袋を付けるなど、並大抵の努力では到底不可能だと思います。
この株を30年以上栽培してきた、土居氏の栽培技術があってこその記録です。
他にもいる?大きな食虫植物
ネペンテス・トランカータは大きくなる食虫植物として有名ですが、
他にも大きな食虫植物はたくさんいます。
各種類ごとに紹介していきます。
大きな捕食袋を付けるネペンテス(ウツボカズラ)
ネペンテス・アッテンボロギ Nepenthes.attenbotoughii
動物学者として、食虫植物に多大な関心を寄せていたデイビッド・アッテンボローから名づけれ、2007年にパラワン島の山奥で発見された種です。
ネペンテス・トランカータとは異なり、巨大なベル型の捕食袋を付けます。
世界最凶の食虫植物と言われるほど、巨大な捕食袋はネズミなど哺乳類を餌食にしてしまうというニュースが2010年ころに話題になりました。
まだ発見からあまり経っていないため、どのくらいのサイズまで生長するのか定かではないですが、この種がギネス記録を更新する未来がくるかもしれません。
難易度は少し高いですがY's EXOTICS(山田食虫植物農園)で販売されてたりします。
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ネペンテス・ラジャ Nepenthes.rajah
王冠のような大きな襟と、ぼってりしたフォルムの大型ハイランド種です。
袋のサイズは最大で40cmほどになり、
ネペンテス(ウツボカズラ)の中でもかなり大きい部類です。
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ネペンテス・メリリアナ Nepenthes.merrilliana
種の中でも最大サイズの袋を付け、
古くから栽培されてきた人気の種でもあります。
価格は非常に高価ですが、鑑賞度も高くオススメです。
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ネペンテス・ダイエリア―ナ Nepenthes 'dyeriana'
観賞用の植物としても人気の高いネペンテス・ダイエリア―ナは人工交配種として生み出されました。
ネペンテス・ミクスタとディクソニアナを両親に持ち、1900年に発表されたので、長年栽培されてきた種でもあります。
最大サイズは35㎝ほどと言われているので、トランカータよりは少し小さいかもしれないですが、
口の部分に綺麗に入る赤い縦縞模様のラインはとても綺麗です。
大型の捕食袋を付けた個体を生み出すために、更に交配させた種も近年は多く存在します。
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まるでマリオのパッ〇ン?大きな口をもつハエトリグサ(ハエトリソウ)
ディオネア・マスシプラ "ビックマウス" Dionea.muscipula "Big Mouth"
捕食葉の大きさもさることながら、内部の赤味が鮮やかで、凶悪な印象を抱く方も少なくないビックマウス。
大きな個体では5cm以上の捕食葉を付けることもあり、ハエトリグサ(ハエトリソウ)の中でも特に大きな品種です。
価格帯も500円~3000円ほどが相場なので、手に入れやすく、
栽培も難しくないので、初心者の方でも挑戦しやすい種です。
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ディオネア・マスシプラ "B52" Dionea.muscipula "B52"
ビックマウスと並んで大きな捕食葉を付けるのがB52です。
B52はビックマウスよりも緑色が綺麗に出るので、ハエトリグサ(ハエトリソウ)の原種に近い印象です。
価格帯も2000円~5000円くらいと、そこまで高価ではないです。
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群生地は異様な光景?サラセニア(ヘイシソウ)の大型種
サラセニア・フラバ Saracenia.flava
サラセニア(ヘイシソウ)の原種は8種と言われていて、
その中でも最大サイズになるのが、フラバです。
高さ90㎝ほどに生長し、他のサラセニア(ヘイシソウ)が赤味が強い種が人気の中、
黄色系では特に人気の種です。
栽培スペースの確保が難点ですが、育てやすい種なので、
大きな捕食袋を楽しみたい方にオススメです。
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食虫植物マニアなら一度は通る道?セファロタス(フクロユキノシタ)の大型種
セファロタス・フォリキュラリス”ハマーズジャイアント” Cephalotus.folicularis "Hummer's Giant"
栽培家のジョン・ハマー氏が生み出したセファロタス(フクロユキノシタ)最大クラスの品種です。
捕食袋は最大で10㎝ほどにもなり、ジャーマンジャイアントやビックボーイよりも大きいと言われています。
国内の流通数は非常に少ないですが、まれにY's EXOTICS(山田食虫植物農園)やYahoo!オークションで販売されています。
価格は20000円以上はするので、マニアでないと中々手が出せないかもしれません。
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可愛らしい花と巨大な葉が目を引くピンギキュラ(ムシトリスミレ)
ピンギキュラ・ギガンティア Pingucula.gigantea
世界最大のピンギキュラ(ムシトリスミレ)と言われているのが、
ピンギキュラ・ギガンティアです。
ロゼッタ状の葉は最大で直径30cmほどになり、かなりのサイズ感です。
葉のボリュームにはあまり似つかわしくない、綺麗な花を咲かせるのも人気の理由なのではないでしょうか。
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大きな食虫植物、育ててみたい?
植物園などで大きな食虫植物を見ると、
誰しも一度は育ててみたいと思うのではないでしょうか。
栽培スペースの確保や、環境づくりなどが中々に困難だったりもするので、
自宅で育てるのは限られた方しかできないかもしれません。
小さな個体もすごくかわいいので、魅力満載ですが、
やっぱり大きな食虫植物は凄く魅力ですよね。
ぜひ栽培に挑戦してみてはいかがでしょうか。
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